【イベント報告】リユース食器出展@和歌山県串本町「南紀熊野ジオパークフェスタ」
去る2024年3月3日、和歌山県串本町で開催された「南紀熊野ジオパークフェスタ」にて
串本町の観光ガイドであり、滝沢ごみクラブの一員としても活動するメンバーが「目指せ!海岸漂着ゴミ問題解決 お試しリユース食器とイベントゴミ削減」と表した出展を行いました。
■使い捨て容器は、ごみになる。減らすことは、できないか。
地域の特産物、地元の美味しいお店の出店など、食を楽しむことができるのもイベントやお祭りの醍醐味の一つです。
ただ、そういった会場で使われるプラスチックの使い捨て食器は便利な反面、1回使うと廃棄されて「ごみ」になってしまうことがほとんど。
そんな現状を何か一つでも変えることができないかという思いから「リユース食器」ブースの試みを企画。飲食出店するお店のうち、近隣のいくつかの店舗を回り「リユース食器を使ってみませんか」と持ち掛けたところ、趣旨に賛同頂いたいくつかのお店が協力してくださることとなりました。
■使われることなく倉庫に眠っていた食器たちを活用
当初は「リユース食器」のレンタルサービスを利用する方向性で検討していましたが、その活動を耳にした今回のイベント(南紀熊野ジオパークフェスタ)の会場となる「潮岬青少年の家」の方から、こんなお声がけを頂くこととなります。
「うちで眠っている食器を使ってくれないか」
聞けば、町内の方等から寄付された食器類がたくさんあるとのこと。倉庫に眠り続けているものが大量にあり、常々「もったいない。何かに使えないか」と思っていたのだと。そこで、更に検討を重ね、飲食店舗でのリユース食器利用に加え、食器の「ご自由にお持ちください」市を同時開催することとしました。
■「誰かが使ってくれるなら」ありがたい
今回の「リユース食器」は、ブースで食器を借りて頂き、それを持ってお店に飲食物を買いに行く方法を採用。食べ終わった食器は返却か、そのまま持ち帰ることもできます。ごみを減らす活動に興味を持ってくださる方や「食器で食べたほうが美味しそうに見える」という素敵なコメントも頂きました。
また「ご自由にお持ちください」市は大盛況。中には新品もあるため「本当に無料でもらっていいの? 何だか申し訳ないけど・・・」と言う方もおられましたが「せっかく使えるものが使われないのはもったいない。このまま倉庫に眠り続けること、ゆくゆく廃棄されてしまうかもしれないことを考えると、持ち帰って使っていただけるのであればありがたい」とお伝えすると、皆さん、一様に笑顔になり、楽しそうにお持ち帰りくださいました。
■海洋漂着物を使った作品の展示・販売も
「本州最南端の町」串本町では有志によるビーチクリーン活動が盛んに行われています。ブースでは、浜辺のごみに興味を持って頂けるよう、ウニを使ったランプ等の販売やシーグラスの詰め放題も行いました。ウニランプの綺麗な模様、可愛らしい形状に目を奪われ足を止めるお客さん、きらきらしたシーグラスのかけらを楽しそうにつめるお子さんなどに多数来場頂けました。
■イベントごみを考えるきっかけに
今回の出展を通じ、潮岬青少年の家に眠っていた不要食器(≒未来の埋め立てゴミ)の量を半分以下にすることができました。
リユース食器利用件数は、飲食エリアとブースが離れた配置となってしまったこともあり、スタッフ以外の利用件数は3件にとどまり、当初の目的であった「イベントごみの削減」については限定的にはなりましたが、来場いただいた皆さまに、少しでもイベントごみの量や使い捨て容器などについて考えるきっかけになっていたら嬉しいです。
会場内の配置や、ネーミングやサービス内容を来場者に分かりやすく伝えることなど、いくつかの課題も浮き彫りになりましたが、どれも取り組んでみて初めて分かることであり、今後に向けた確実な一歩が踏み出せたように感じます。
和歌山県串本町は、日本初の民間ロケット射場があることでも注目が集まっており、大勢の方が来場するイベントが今後も多数開催されることが予想されます。そこで出るであろう多くのごみを減らすことも視野に入れ、今後も様々なことに挑戦していきたいと思います。
出展したごみクラブメンバーが今回の出展を思い至ったきっかけは、クラブ内の情報交換で知った「祇園ごみゼロ大作戦」だったそう。
規模に関わらず、全国各地のイベント・お祭りの中には、このようにごみの減量を目指して、活動している団体は多くあります。
滝沢ごみクラブのメンバーは、ここ以外にも地元のイベントに働きかけ、分別ステーションでのスタッフ等、様々な活動を行っています。
イベントやお祭りは「ごみ」に着目してみると、それぞれの違いが見えて面白いです。参加する際には、ぜひチェックしてみてください♲